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アルバの聖母

聖母の左右に幼児キリストと洗礼者ヨハネを置くピラミッド形式から、聖母を座らせ人物を螺旋状に組み合わせている。円形の画面と人物像を合わせ、背景の風景は水平に伸びている。
周りに配された植物は聖母やキリストに結びついているらしい。伝説ではカワラマツバはキリスト降誕のとき飼い葉桶のまぐさの中に入っていた。シクラメンは聖母の愛と悲しみを、スミレとオオバコは謙譲を表している。左のタンポポはキリストの受難の苦しみを予表し、前景のウマノアシガタは死を、ヨハネの膝のアネモネは復活を表しているとされる。植物のことはあまり知らないため解説に書かれていることをまとめただけ。
17世紀末までナポリ近くの聖堂(パオロ・ジョーヴィオが司教)に置かれ、ナポリ総督の所有となってスペインに運ばれた。1793年にアルバ公爵のコレクションに入り、1836年にロシア皇帝ニコライ1世が購入、メロン・コレクションを経てワシントンのナショナル・ギャラリーに収められた。  1510年代
ラファエロ Raffaello
アルバの聖母
1510〜12年頃 板(現在はカンヴァスに移行) 油彩 直径98cm
ワシントン ナショナル・ギャラリー
世界美術大全集12 イタリア・ルネサンス2