化粧する女
夏の午後、バラ色の布をわずかに身につけた若い女性が右手に手鏡を持って髪を整えている。背後の壁にもう一枚の鏡があって後頭部と左腕の一部が映っている。鏡を持つヴィーナスはヘレニズム期の彫刻に見られ、ヨーロッパでは中世以後、キリスト教的訓戒の意味で「虚栄」の姿として復活している。鏡の二重使用はフランドルからの影響があるのかもしれない。
個人的には背後の壁の暗さが気になる。女性と鏡を協調するためだけなのだろうか。 1510年代
個人的には背後の壁の暗さが気になる。女性と鏡を協調するためだけなのだろうか。 1510年代
右下のカーペットの上の紙片に「ジョヴァンニ・ベリーニ作 1515年」の署名年記がある。85歳の作品。
後年、左手の肘などに不適切な修復(?)がなされたらしい。ジョヴァンニ・ベリーニ Giovanni Bellini
化粧する女
1515年 板 油彩 62×79cm
ウィーン 美術史美術館
世界美術大全集13 イタリア・ルネサンス3
後年、左手の肘などに不適切な修復(?)がなされたらしい。
化粧する女
1515年 板 油彩 62×79cm
ウィーン 美術史美術館
世界美術大全集13 イタリア・ルネサンス3