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マリアの誕生

アンドレア・デル・サルトの特色が最初に発揮された大作とされる。ギルランダイオの「マリアの誕生」(1485〜90年 聖母マリアの生涯)と比較されるが、トルナブォーニ家の豪華な部屋に設定されたギルランダイオの作品に対して、この作品は空虚で大きな背景が画面を暗くしている。
右端でベッドに横たわっているのがマリアの母アンナ、中央奥の白髭の男性が父のヨアキム、マリアは左側の女性に抱かれている。周囲にはお祝いに駆けつけた婦人や召使いたち。中央の二人の婦人は同じモデルを角度を変えて描いたように見え、女性たちはおなじ顔つきをしている。これらの人物は作者の人物像への不信、状況に対する不安感を表しているとされる。
1957年に修復のために壁から剥がされ、元の場所に戻された。画面の劣化による印象の違いがあるようにも思える。
1510年代

アンドレア・デル・サルト Andrea del Sarto
マリアの誕生
1514年 フレスコ 410×345cm
フィレンツェ サンティッシマ・アンヌンツィアータ聖堂前庭回廊
世界美術大全集12 イタリア・ルネサンス2