アポロとマルシュアス(またはダフニス)
この作品の制作については何も記録が残されていない。初めはフィレンツェにあり、イギリスを経て1883年にルーヴル美術館に収められた。ラファエロ初期の作品とされていたが、ペルジーノ作とする説が出され多くに認められている。
坊主頭の裸の男が石に腰掛けて一心に笛を吹いている。もう一人の長い髪で裸の男は左手に長い棒を持ち、笛の音に聞き入っている。二人の間には竪琴(リラ)、足元には弓と矢が入った箙が置かれている。空には鳥が飛んでいるが、一羽は鷹に捕らえられている。背後には牧歌的風景が描かれ、川が流れ、橋の向こうに町か城がある。
ギリシア神話のアポロとマルシュアスの音楽の競技を表しているとされていたが、マルシュアスに長い耳などの特徴が見られない。そのため笛を吹く男はアポロに愛された羊飼いのダフニスとする説が出されている。その説では、ロレンツォ・ディ・メディチはダフニスの詩を書いていて、ロレンツォをダフニスの名前で讃えている詩人がいることから、この絵の注文主をロレンツォだとしている。
制作年は1475年から1505年まで諸説がある、1490年代前半とするのが有力。
1490年代
ペルジーノ Perugino
アポロとマルシュアス(またはダフニス)
1490年代前半 板 39×29cm
パリ ルーヴル美術館
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1
坊主頭の裸の男が石に腰掛けて一心に笛を吹いている。もう一人の長い髪で裸の男は左手に長い棒を持ち、笛の音に聞き入っている。二人の間には竪琴(リラ)、足元には弓と矢が入った箙が置かれている。空には鳥が飛んでいるが、一羽は鷹に捕らえられている。背後には牧歌的風景が描かれ、川が流れ、橋の向こうに町か城がある。
ギリシア神話のアポロとマルシュアスの音楽の競技を表しているとされていたが、マルシュアスに長い耳などの特徴が見られない。そのため笛を吹く男はアポロに愛された羊飼いのダフニスとする説が出されている。その説では、ロレンツォ・ディ・メディチはダフニスの詩を書いていて、ロレンツォをダフニスの名前で讃えている詩人がいることから、この絵の注文主をロレンツォだとしている。
制作年は1475年から1505年まで諸説がある、1490年代前半とするのが有力。
1490年代
アポロとマルシュアス(またはダフニス)
1490年代前半 板 39×29cm
パリ ルーヴル美術館
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1