大航海時代とルネサンス2018
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バッカス

1492年、メディチ家が追放されドメニコ会僧サヴォナローラが実権を握ると、ミケランジェロはフィレンツェを離れた。ボローニャに1年余り滞在、1495年の冬に一時フィレンツェに戻り、ローマへ向かった。
その頃ローマでは古代の遺跡が発掘され、彫刻が次々に発見されていた。それに刺激されて古代風のテーマの彫像をリアリオ枢機卿の注文で制作した。
しかし酒の神バッカスが泥酔しているように見えたためか、枢機卿に受け取りを拒否された。結局、銀行家ヤコポ・ガッリに買い取られ、その庭園に置かれていた。後のデッサンや版画では右手がとれた姿で描かれている。1571〜72年にフランチェスコ・デ・メディチが買い取っている。
バッカスは酒杯を右手に持ち、やや太った身体をねじっている。左手の皮の酒袋の後ろには葡萄を口にする小さなサテュロスがいて、その下半身は子山羊の姿をしている。
バッカス ローマ神話の酒神バックスの英語読み。ギリシア神話のディオニュソスに相当する。
サテュロス ギリシア神話の自然の野性的な力を象徴した存在で、動物的な活力が特徴。ディオニュソスの従者。
1490年代
ミケランジェロ Michelangelo
バッカス
1496〜97年 大理石 高さ203cm(台座を含む)
フィレンツェ 国立バルジェッロ美術館
世界美術大全集12 イタリア・ルネサンス2
世界美術大事典 小学館