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奏楽の天使

ピエロ・デッラ・フランチェスカの画風を受け継ぎ、その瞑想的で堅固な構成をより現実的で流動感のある様式に発展させたのがメロッツォ・ダ・フォルリだった。
ローマのサンティ・アポストリ聖堂のアプシス壁面に描かれた「キリストの昇天」の一部。 1711年の聖堂拡張工事の際にこの壁画の主要部分が切断、保存され、残りの部分は壊された。「天使に囲まれて昇天するキリスト」はローマのクィリナーレ宮(現在は大統領官邸)に、天使や地上の使徒たち14片はヴァティカーノ宮に収められた。
右図では青空を背景に天使がリュートを奏でている。横向きのためか仰視法の強調は抑えられ、明るく軽やかな描線には躍動感がある。マンテーニャの「結婚の間」などの影響を受けているとされるが、コレッジョやバロック期以降の天井画に受け継がれる。
ヴァザーリはメロッツォについてはほとんど触れていないが、この壁画の大胆な短縮法を賞讃している。
サンティ・アポストリ聖堂 1475年に枢機卿ジュリアーノ・デッラ・ローヴェレ(後の教皇ユリウス2世)によって改築され、1480年にデッラ・ローヴェレ家の教皇シクストゥス4世のもとで献堂式が行われた。 1480年代
メロッツォ・ダ・フォルリ Melozzo da Forli
奏楽の天使
1480年頃 フレスコ 112.5×91cm
ヴァティカーノ絵画館
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1