受胎告知
場面はアーチ形の窓があるマリアの寝室。大天使ガブリエルとマリアは左右に配されている。黒褐色の付柱とその上の梁は浮彫で飾られ、窓の外には柱廊を通して人気のない空間が広がっている。
画面下部にはプレデッラのような3場面「エヴァの創造」「原罪」「楽園追放」がグリザイユで描かれている。
ガブリエルとマリアのポーズはわざとらしくも見えるが、独特の穏やかな優雅さを備えている。この作品にはクレーディの特徴、静態的な画面構成、穏やかで感傷的な人物表現、均質で滑らかな表面処理、透明でやや抽象的な空間、クールな色調、几帳面で工芸的な細部描写などが含まれている。
クレーディはヴェロッキオの忠実な弟子で、師の工房を継承した。1480年の母リーザの資産申告書(カタスト)には、21歳のロレンツォが年俸21フィオリーニでヴェロッキオ工房で画家として働いていると記されている。
後にサヴォナローラの熱烈な信奉者となり、1497年の「虚飾の焼却」で自らの世俗的主題の作品すべてを火に投じたとされている。
15世紀末から16世紀初めのフィレンツェ画界では高く評価されていたらしい。画家間の争いの調停役やコンクール等の審査員を務めている。1504年「ダヴィデ」の設置委員会など。
1480年代ロレンツォ・ディ・クレーディ Lorenzo di Credi
受胎告知
1480〜85年頃 板 油彩 88×71cm
フィレンツェ ウフィツィ美術館
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1
画面下部にはプレデッラのような3場面「エヴァの創造」「原罪」「楽園追放」がグリザイユで描かれている。
ガブリエルとマリアのポーズはわざとらしくも見えるが、独特の穏やかな優雅さを備えている。この作品にはクレーディの特徴、静態的な画面構成、穏やかで感傷的な人物表現、均質で滑らかな表面処理、透明でやや抽象的な空間、クールな色調、几帳面で工芸的な細部描写などが含まれている。
クレーディはヴェロッキオの忠実な弟子で、師の工房を継承した。1480年の母リーザの資産申告書(カタスト)には、21歳のロレンツォが年俸21フィオリーニでヴェロッキオ工房で画家として働いていると記されている。
後にサヴォナローラの熱烈な信奉者となり、1497年の「虚飾の焼却」で自らの世俗的主題の作品すべてを火に投じたとされている。
15世紀末から16世紀初めのフィレンツェ画界では高く評価されていたらしい。画家間の争いの調停役やコンクール等の審査員を務めている。1504年「ダヴィデ」の設置委員会など。
1480年代
受胎告知
1480〜85年頃 板 油彩 88×71cm
フィレンツェ ウフィツィ美術館
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1