大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

アポロとダフネ

サイズが小さいことからカッソーネ(衣裳櫃)の側面を飾っていたともされる。テーマは15世紀のフィレンツェ絵画には珍しく、オウィディウスの「変身物語」から取られている。河神ペネイオスの娘のニンフ、ダフネに恋したアポロが追いかけて抱きとめようとすると、ダフネは月桂樹に変身してしまう。両腕は大きな枝になり、左脚は幹に変わっている。肉体的な「愛」に対する「純潔」の勝利という教訓的寓意。古典の教養を持つフィレンツェの貴婦人の結婚の記念に描かれたとも考えられている。アルノ川渓谷を写したとされる風景描写には、レオナルド・ダ・ヴィンチの空気遠近法を先取りしたような表現も見られる。
1480年代
アントニオ・デル・ポッライウォーロ Antonio del Pollaiuolo
アポロとダフネ
1480年頃 板 テンペラ 油彩 29.5×20cm
ロンドン ナショナル・ギャラリー
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1