聖母のエリザベツ訪問
聖母マリアが受胎告知(右遠景、聖堂の壁に描かれている)のあと、洗礼者聖ヨハネを身籠もっていた従姉のエリザベツを訪問する場面。この作品は礼拝図像として描かれていて、発注者の家族の懐胎を記念したものとされている。前景中央には「愛」の象徴ストック(アラセイトウ)の枝が置かれている。
前景左に聖ニコラウス、右に隠修士聖アントニウス、読書と書き物をしている。聖ニコラウスは発注者との関係で、聖アントニウスはこの祭壇画が置かれたサント・スピリト聖堂との関係(聖アントニウスは聖堂を管理するアウグスティヌス隠修士会の守護聖人)だとされる。聖ニコラウスの足元には持物の三つの黄金の球が、聖アントニウスの足元にはT字形の杖と鈴が置かれ背後には豚が描かれている。(豚の脂は聖アントニウスの業火の治療に使われたとされ、アントニウス会の修道士たちは豚を飼っていた)
1480年代
前景左に聖ニコラウス、右に隠修士聖アントニウス、読書と書き物をしている。聖ニコラウスは発注者との関係で、聖アントニウスはこの祭壇画が置かれたサント・スピリト聖堂との関係(聖アントニウスは聖堂を管理するアウグスティヌス隠修士会の守護聖人)だとされる。聖ニコラウスの足元には持物の三つの黄金の球が、聖アントニウスの足元にはT字形の杖と鈴が置かれ背後には豚が描かれている。(豚の脂は聖アントニウスの業火の治療に使われたとされ、アントニウス会の修道士たちは豚を飼っていた)
1480年代
背景には北方的な建物と幻想的な風景が描かれ、左側には羊飼いの礼拝、右側には幼児虐殺が描かれている。
ヴァザーリの「本物のように見える古びた羊皮紙の本」「互いに反射し合う光った玉」という指摘には、フランドル絵画からの影響だけでなく、画家の「奇矯な着想」が感じられるとされる。
ヴァザーリはコジモ・ロッセッリの死後のピエロ・ディ・コジモの生活ぶりを「風変わりな」「気まぐれな」「異様な」「奇矯な」「空想的な」などの言葉で伝えているが、作品がヴァザーリの言葉を裏付けているようにも思える。ピエロ・ディ・コジモ Piero di Cosimo
聖母のエリザベツ訪問
1482〜85年頃 板 油彩 184×189cm
ワシントン ナショナル・ギャラリー
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1
ヴァザーリの「本物のように見える古びた羊皮紙の本」「互いに反射し合う光った玉」という指摘には、フランドル絵画からの影響だけでなく、画家の「奇矯な着想」が感じられるとされる。
ヴァザーリはコジモ・ロッセッリの死後のピエロ・ディ・コジモの生活ぶりを「風変わりな」「気まぐれな」「異様な」「奇矯な」「空想的な」などの言葉で伝えているが、作品がヴァザーリの言葉を裏付けているようにも思える。
聖母のエリザベツ訪問
1482〜85年頃 板 油彩 184×189cm
ワシントン ナショナル・ギャラリー
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1