老人と少年
壁画の物語場面に描かれている群像や寄進者像などによって、ギルランダイオが優れた肖像画家であることは良く知られている。しかし彼によって描かれた独立肖像画はこの作品と「ジョヴァンナ・トルナヴォーニ」の2点だけ。2点ともモデルの死後に制作されている。
ストックホルムの国立美術館に、この老人の目を閉じた死に顔をほぼ同じ角度から描いたギルランダイオのスケッチ(銀尖筆 34×29.5cm)が残されている。このスケッチを基に生前の姿を再現したのがこの作品。
老人と息子(孫)との対話が表現されている。鼻の泡状の腫瘍も克明に描写されているが、過度の細部描写を抑えて、家族の記憶に残る故人のイメージを再現することに努めている。(スケッチの鼻の部分と比べると修正が加えられている)
モデルの名前は知られていない。赤い服の襟元から狐の毛皮の裏打ちが見えることから、フィレンツェの上流市民で、遺族が記念のために注文したと考えられている。
1480年代ギルランダイオ Ghirlandaio
老人と少年
1488年 板 テンペラ 63×46cm
パリ ルーヴル美術館
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1
ストックホルムの国立美術館に、この老人の目を閉じた死に顔をほぼ同じ角度から描いたギルランダイオのスケッチ(銀尖筆 34×29.5cm)が残されている。このスケッチを基に生前の姿を再現したのがこの作品。
老人と息子(孫)との対話が表現されている。鼻の泡状の腫瘍も克明に描写されているが、過度の細部描写を抑えて、家族の記憶に残る故人のイメージを再現することに努めている。(スケッチの鼻の部分と比べると修正が加えられている)
モデルの名前は知られていない。赤い服の襟元から狐の毛皮の裏打ちが見えることから、フィレンツェの上流市民で、遺族が記念のために注文したと考えられている。
1480年代
老人と少年
1488年 板 テンペラ 63×46cm
パリ ルーヴル美術館
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1