「書斎の聖ヒエロニムス」に続き、修道院食堂に描かれた「最後の晩餐」。構図はカスターニョの「最後の晩餐（1447年）」を踏襲しているが、主題解釈や空間表現には独自な特徴が見られる。
視点をやや高くとり、画面空間を現実の食堂空間の延長として描いている。使徒たちはキリストの言葉「あなたがたのうちのひとりが、私を裏切ろうとしている」にさまざまな反応を示している。使徒たちの身振りは抑制されているが、複雑な感情の表現はレオナルドの「最後の晩餐」に先駆けているとされる。
1480年代

床、テーブルクロス、卓上のガラス器やパン・果物、花瓶、窓辺の孔雀（キリストの復活の象徴）、庭園の樹木や鳥たちが静物画のように明確に描かれている。

ギルランダイオ　Ghirlandaio
最後の晩餐
1480年　フレスコ　430×750cm
フィレンツェ　オニサンティ聖堂
世界美術大全集11　イタリア・ルネサンス1