受胎告知
アスコリ・ピチェーノ市のアンヌンツィアータ聖堂に置かれていた作品。市が教皇庁から行政的自治権の認可を受けたことを記念して発注した2点のうちの1点。教皇庁の使者が1482年3月25日、受胎告知の日に到着したことからこの主題が決められた。
画面下部にアスコリ市、ローマ教皇、アスコリの司教らの紋章とLIBERTAS ECCLESIASTICA(教会の自由?)の文字が書かれている。
複雑な細部にいたるまで大胆な遠近法でまとめ、現実的情景と幻想的情景を融合させている。大天使の横にアスコリの守護聖人エミディウスが市の模型を持って寄り添っていることで二重の意味を示している。消失点近くに立つアーチ下の人物は、お告げをもたらす鳩を捜して空を見つめ、アーチの上では要人が伝書鳩のもたらした知らせを読んでいる。ひざまずいているマリアの左右の付け柱の下部に署名と制作年が書かれている。
1811年ナポレオン軍によってマルケ地方の多くの作品とともに没収され、ミラノに移された。オーストリアのミラノ占領などを経て、1864年現在の美術館に入った。
1480年代
クリヴェッリ Crivelli
受胎告知
1486年 板(カンヴァスに移行) テンペラ 207×146cm
ロンドン ナショナル・ギャラリー
世界美術大全集12 イタリア・ルネサンス2
画面下部にアスコリ市、ローマ教皇、アスコリの司教らの紋章とLIBERTAS ECCLESIASTICA(教会の自由?)の文字が書かれている。
複雑な細部にいたるまで大胆な遠近法でまとめ、現実的情景と幻想的情景を融合させている。大天使の横にアスコリの守護聖人エミディウスが市の模型を持って寄り添っていることで二重の意味を示している。消失点近くに立つアーチ下の人物は、お告げをもたらす鳩を捜して空を見つめ、アーチの上では要人が伝書鳩のもたらした知らせを読んでいる。ひざまずいているマリアの左右の付け柱の下部に署名と制作年が書かれている。
1811年ナポレオン軍によってマルケ地方の多くの作品とともに没収され、ミラノに移された。オーストリアのミラノ占領などを経て、1864年現在の美術館に入った。
1480年代
受胎告知
1486年 板(カンヴァスに移行) テンペラ 207×146cm
ロンドン ナショナル・ギャラリー
世界美術大全集12 イタリア・ルネサンス2