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サン・バルナバ祭壇画

フィレンツェのアウグスティヌス会サン・バルナバ聖堂の主祭壇のために画かれた祭壇画。この聖堂は1289年の聖バルナバの日にフィレンツェがアレッツォとの闘いに勝利したことを記念して、14世紀前半に建立され、聖堂の維持・美化を医師・薬種商組合が受け持っていた。
「聖会話」の構図。聖母子の両側の二人の天使はキリスト磔刑の際の茨の冠と3本の釘を示し、さらにその両側では二人の天使が白貂の裏地が付いた天蓋幕を左右に広げている。(幕を開くことは中世以来の「啓示」を意味し、白貂は聖母の純潔や貞節、聖母の頭上の貝殻は天国のドームや誕生・再生・不死を象徴している)
左側の聖人は、左からアレクサンドリアの聖女カタリナ(哲学と教育の守護聖女)、聖アウグスティヌス(この聖堂の参事会員の守護聖人)、勝利・平和の象徴オリーヴの小枝を持つ聖バルナバ。
右側は洗礼者聖ヨハネ(フィレンツェの守護聖人)、司教服を着けた聖イグナティウス(「黄金伝説」によると、聖母に手紙を送り「キリストを身籠もられた人」と呼んで祝福した)、闘いの際に力を貸す甲冑姿の大天使ミカエル。