大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

マニフィカトの聖母

聖母マリアが左手で幼児キリストを支え、右手で「マニフィカト・アニマ・メア・デウム・・・(わが魂、神を讃えまつる)」と書いている。周囲には翼のない、少女のような5人の天使が本やインク壺を支え、聖母の頭上に黄金の冠を捧げている。この頃フィレンツェで好まれた円形の画面を巧みに生かした構成をとっている。
聖母の冠は12の星飾りを付け、その上に太陽が描かれていることから「黙示録」12章の「また天に大いなる徴みえたり。日を着たる女ありて、その足の下に月あり。その頭に12の星の冠あり」と結びつくとされる。
マリアの顔や髪、ヴェールやスカーフを描く描線は繊細で、色彩の照応も美しい。