マニフィカトの聖母
聖母マリアが左手で幼児キリストを支え、右手で「マニフィカト・アニマ・メア・デウム・・・(わが魂、神を讃えまつる)」と書いている。周囲には翼のない、少女のような5人の天使が本やインク壺を支え、聖母の頭上に黄金の冠を捧げている。この頃フィレンツェで好まれた円形の画面を巧みに生かした構成をとっている。
聖母の冠は12の星飾りを付け、その上に太陽が描かれていることから「黙示録」12章の「また天に大いなる徴みえたり。日を着たる女ありて、その足の下に月あり。その頭に12の星の冠あり」と結びつくとされる。
マリアの顔や髪、ヴェールやスカーフを描く描線は繊細で、色彩の照応も美しい。
聖母の冠は12の星飾りを付け、その上に太陽が描かれていることから「黙示録」12章の「また天に大いなる徴みえたり。日を着たる女ありて、その足の下に月あり。その頭に12の星の冠あり」と結びつくとされる。
マリアの顔や髪、ヴェールやスカーフを描く描線は繊細で、色彩の照応も美しい。
マリアの表情は祝祭的な雰囲気のなかで、キリストの受難(ザクロが象徴)の予感からか一抹の憂愁を見せている。
背後の風景は、蛇行する川から塔のある建物まで統一的・牧歌的に描かれている。立木や塔は人物の動きに対応してわずかに左に傾いている。
1480年代ボッティチェリ Botticelli
マニフィカトの聖母
1480年代初め 板 テンペラ 直径143.5cm
フィレンツェ ウフィツィ美術館
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1
背後の風景は、蛇行する川から塔のある建物まで統一的・牧歌的に描かれている。立木や塔は人物の動きに対応してわずかに左に傾いている。
1480年代
マニフィカトの聖母
1480年代初め 板 テンペラ 直径143.5cm
フィレンツェ ウフィツィ美術館
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1