大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

受胎告知 ラ・ヴェルナ マッジョーレ聖堂

ルカ・デッラ・ロッビアの工房を継いだのは甥のアンドレア・デッラ・ロッビアだった。1435年にフィレンツェに生まれたアンドレアはルカのもとで修業し、1455年には個人で注文を受けるようになっていた。この頃のデッラ・ロッビア工房は施釉テラコッタの紋章や聖母子の浮彫などを広く販売し、工房の指揮はアンドレアがとっていたらしい。
フィレンツェの毛織物製造組合は義捐金を集め、聖フランチェスコが聖痕を受けたとされる聖地ラ・ヴェルナの聖堂を修理し、1470年頃から祭壇の建設を始めた。右図は1476年からマッジョーレ聖堂でアンドレアが建立した施釉テラコッタの「受胎告知」の祭壇。
右下の円形飾りの中に巻きぐるみにくるまれた幼児のテラコッタ製浮彫は10体制作され、1487年にフィレンツェの孤児養育院(オスペダーレ・デッリ・インノチェンティ)の外壁に設置された。
これらの作品によって、アンドレアが優れた造形感覚、デザイン感覚を備えた芸術家であることがわかる。
1470年代

アンドレア・デッラ・ロッビア Andrea della Robbia
受胎告知
1476〜77年 施釉テラコッタ 210×210cm
ラ・ヴェルナ マッジョーレ聖堂

巻きぐるみにくるまれた幼児のメダイヨン
1487年頃 施釉テラコッタ 直径100cm
フィレンツェ 孤児養育院
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1
イタリア・ルネサンスの巨匠たち9 ルカ・デッラ・ロッビアとその一族