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聖母被昇天

マッテオ・ディ・ジョヴァンニ(1430年頃〜1495)ボルゴ・サン・セポルクロ(現サンセポルクロ)で生まれた。初めは貧困と戦わなければならなかったが、頭角を現しシエナ絵画に転機をもたらす画家となった。
ポッライウォーロ兄弟たちのフィレンツェ絵画、マンテーニャなどの北イタリア絵画、ウンブリア派の作品などから諸要素を取り入れ、それらをシエナ風に消化してシエナ派の様式を発展させた。
この聖母被昇天の上部には父なる神と諸聖人、聖母の周りには奏楽の天使たちが賑やかに描かれている。下部には聖母の帯を受け取る聖トマスがいて、背景には幻想的な風景が広がっている。全体の構図は整っていて、人物には動感が感じられる。描写は丁寧だが、硬質で冷たい印象を与えている。これらは15世紀末のフィレンツェ絵画などと共通する特徴とされる。
聖母の顔とボッティチェリ(工房)の作品との類似性を指摘する説もある。
1470年代
マッテオ・ディ・ジョヴァンニ Matteo di Giovanni
聖母被昇天
1475年頃 板 テンペラ 331×173cm
ロンドン ナショナル・ギャラリー
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1