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トビアスと大天使ラファエル

ヴェロッキオ本人か工房作と認められている作品。
大天使ラファエルは若者・巡礼者・旅人の保護者で、15世紀のフィレンツェ商人の家では息子が旅立つ際に、安全祈願のためにトビアスと大天使ラファエルの絵を描かせることが多かったらしい。(トビアスには息子の肖像が描かれた)
トビアスと大天使ラファエルはむく犬を連れて、親しげに広々とした田野のなかを歩いている。大天使は右手に金の箱(香炉)を持ち、トビアスは左手に持物の魚とRicordo(証文)と書かれた巻紙を持っている。
二人の頭部はヴェロッキオ独特のもので、身体や衣服は力強く明確な線的・彫塑的フォルムと輝かしい色彩効果を上げている。トビアスの赤いカルツェと皮の長靴、短い上着とマントは当時流行のモード。
1470年代
ヴェロッキオ Verrocchio
トビアスと大天使ラファエル
1470年代 板 テンペラ 84×66cm
ロンドン ナショナル・ギャラリー
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1