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聖セバスティアヌス

セバスティアヌスはガリア地方(フランス)ナルボンヌ出身、ミラノで成人し、のちにディオクレティアヌス帝の親衛隊の百卒長となった。キリスト教徒だったため迫害され、ローマのマルス広場の柱に縛られ、射手たちの「生きた的」となって「あたかもハリネズミを想わせるほどに」矢で射し貫かれて殉教した。(288年)異説もある。
中世以来ペストなど疫病の守護聖人として、腰布一枚の裸身に多くの矢が刺さっている姿が、彫刻や絵画で現されてきた。この作品もその図像伝統によっている。聖人は枝を落とした立木に縛られ、両足は根元の太い枝にのり、6本の矢が身体を貫いている。(6本の矢は「神の啓示のしるし」とされる)聖人は苦痛の表情は見せず、ほぼ垂直に立ち、放心したように顔を下に傾けている。 背景にはフランドル絵画からの影響が見られる。  1470年代
ボッティチェリ Botticelli
聖セバスティアヌス
1474年 板 テンペラ 195×75cm
ベルリン ナショナル・ギャラリー
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1