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聖セバスティアヌス

ヴェネツィアのサン・ジュリアーノ聖堂内の聖ロクスおよび聖ニコラウス同信会のために制作された三連祭壇画の一部。16世紀の修理の際に中央パネルは浮彫りの「聖ロクス」となり、17世紀初めまでに分断、売却された。「聖セバスティアヌス」はいくつかのコレクションを経て1873年に現在の絵画館が購入した。他2点の所在は不明。
ヴェネツィアの当世風の建物に囲まれた幾何学模様の床の空間が透視図法で描かれている。聖ロクス、聖セバスティアヌスはペストや疫病の守護聖人として崇拝されていた。古代彫刻のような肉体の若い聖人に悲壮感はみられず、身体に刺さる矢は持物(アトリビュート)として描かれている。
遠くまで続いている建築空間にはさまざまなヴェネツィアの風俗を表す人々が配され、聖人の足下の円柱や左側で眠る兵士は短縮法で描かれている。
1470年代
アントネッロ・ダ・メッシーナ Antonello da Messina
聖セバスティアヌス
1476年頃 板(カンヴァスに移行) 油彩 171×85cm
ドイツ ドレスデン 国立絵画館
世界美術大全集13 イタリア・ルネサンス3