大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

月暦図 4月

画面は3段に区切られ、上段には各月が捧げられている神話の神々の勝利凱旋、中段には黄道十二宮像を中心にアラブ人のテキストのラテン語訳などをもとにした天球の神々、下段にはボルソ公の活動や領民の月ごとの生活の営みを表している。
上段中央には2羽の白鳥が引く凱旋車に乗ったウェヌス(ヴィーナス)。紅白の薔薇の冠を着け、左手に花と金色の球体、右手に灰色の何かを持っている。ウェヌスの前には鎖につながれた武装した軍神マルス。平和を求めたボルソ公の政策を暗示しているとされる。両岸には恋人たちと多産の象徴・兎、右奥には裸体の三美神。
中段中央、牡牛の上にはシリウス星を暗示するターバンを巻いた裸体の男が鍵を持って座っている。右には白馬と赤犬、右手に竜、左手に矢を持った赤褐色の男がいるが原典は不明。左にはプレアデス星団(昴)と関連しているらしい赤い服の女性と子供。
下段右には道化師スココラに褒賞を与えているボルソ公、左は開口部を開けるために一部が失われているが、ボルソ公を先頭に右前景へ進む狩りの行列、最前景では鷹匠が画面の床に腰掛けている。左側上部には競馬レースとそれを楽しむ人々の姿。
1460年代 月暦図 3月
フランチェスコ・デル・コッサ Francesco del Cossa
月暦図 4月
1469〜70年 フレスコ テンペラ 約450×370cm
イタリア フェッラーラ パラッツォ・スキファノイア
世界美術大全集13 イタリア・ルネサンス3