大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

天使 十字架形聖遺物匣

アントニオ・デル・ポッライウオーロの記録に残る最初の作品。
1457年4月、他の金工師2人とともに委嘱されたフィレンツェ洗礼堂祭壇のための十字架形聖遺物匣。キリストが磔刑にされた十字架の断片を納めるためのもの。
18世紀初めの修復で、全体の構成に変更が加えられたらしいが、台座部、大聖堂頂塔を模したテンピエット(小ドーム?)、小彫像、低浮彫はアントニオによる単独作とされている。
2体の天使像の1体(右図)にはドナテッロやギベルティの影響が見られるが、動的な緊張感のある人体把握、豊かな動きを示す衣襞表現、鋭利な輪郭線などにポッライウオーロの個性が出ている。

1450年代

アントニオ・デル・ポッライウオーロ Antonio del Pollaiuolo
右 十字架形聖遺物匣
左 天使 十字架形聖遺物匣の部分 モノクロ
1457〜59年 銀
フィレンツェ 大聖堂美術館
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1
世界美術大事典 小学館