洗礼者聖ヨハネと聖フランチェスコ
サンタ・クローチェ聖堂の内陣席と背中合わせにあったカヴァルカンティ礼拝堂の壁面を装飾していた作品。1566年聖堂がヴァザーリの監督の下で改装された時、内陣席取り壊しの際に分離された。1954年に壁面から剥がされ、裏打ちされて美術館に置かれている。
一見力強い荒々しさを感じさせるが、「聖母子と諸聖人(1440年代後半)」の男性聖人像と比べると、形の捉え方・描写法から同じ画家の作品と結論できるとされる。
円筒ヴォールトで覆われた、見る者の視点より高い床面に二聖人は立っている。壁画が本来あった位置と見る者の関係を考えて、視点を画面の横にずらして設定している。微妙な角度からとらえた人物像を描くために、綿密に仕上げた実物大の下絵を用意し、丁寧に写し取っていることが現在でもよくわかる。聖ヨハネ像は皮衣の下に正確に裸体が描かれている。ドメニコ・ヴェネツィアーノ円熟期の現存フレスコ画として重要な作品。
1450年代
ドメニコ・ヴェネツィアーノ Domenico Veneziano
洗礼者聖ヨハネと聖フランチェスコ
1450〜53年頃 フレスコ 200×80cm
フィレンツェ サンタ・クローチェ聖堂美術館
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1
一見力強い荒々しさを感じさせるが、「聖母子と諸聖人(1440年代後半)」の男性聖人像と比べると、形の捉え方・描写法から同じ画家の作品と結論できるとされる。
円筒ヴォールトで覆われた、見る者の視点より高い床面に二聖人は立っている。壁画が本来あった位置と見る者の関係を考えて、視点を画面の横にずらして設定している。微妙な角度からとらえた人物像を描くために、綿密に仕上げた実物大の下絵を用意し、丁寧に写し取っていることが現在でもよくわかる。聖ヨハネ像は皮衣の下に正確に裸体が描かれている。ドメニコ・ヴェネツィアーノ円熟期の現存フレスコ画として重要な作品。
1450年代
洗礼者聖ヨハネと聖フランチェスコ
1450〜53年頃 フレスコ 200×80cm
フィレンツェ サンタ・クローチェ聖堂美術館
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1