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ある貴婦人(「アーサー王伝説」部分)

マントヴァのゴンザーガ家の宮殿の一室に描かれていた壁画。ピサネッロの死後30年近くたった、1480年に書かれた侯爵への報告書に、ピサネッロの間の損傷が書かれている。それによってピサネッロによって壁画が描かれた「ピサネッロの間」があったことは知られていたが、その後の記録はなく、壁画は消滅したと考えられていた。
1960年代に「公爵の間」の壁画の下からピサネッロの壁画が発見された。下図(シノピア)の部分もあるがアーサー王伝説に基づいて描かれたものとされている。騎馬試合に勝ったトリスタン(剥落している)が貴婦人たちのいるバルコニーへ向かっている場面の一人の貴婦人の肖像とされる。
別にアーサー王伝説の円卓の騎士、勇士ランスロットの物語を描いた場面の一部とする説も出されている。
色の数が少ないことから完成以前に中断したともされているが、テンペラ画とは違う軽やかな筆致が見られる。
1440年代
ピサネッロ Pisanello
ある貴婦人(「アーサー王伝説」部分)
1446〜47年 フレスコ
イタリア マントヴァ パラッツォ・ドゥカーレ
世界美術大全集12 イタリア・ルネサンス2