大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

薔薇園の聖母

ルカが施釉テラコッタで制作し名声を高めたのが、聖母子の浮彫だった。
薔薇の花を背景にする聖母子は、ドメニコ・ヴェネツィアーノの作品が有名で、これらを先例としたらしい。薔薇は人間が原罪を犯してから棘を持つようになったとされていて、棘のない薔薇は原罪を免れた聖母を象徴するものとされた。
薔薇の花弁は白、花心は黄色で表され、玉座は紫、背景は青、聖母子像には白い釉薬がかけられている。幼児キリストは右手にリンゴを持ち、左手では薔薇の花を摘もうとしている。複雑な動きをしているが、聖母の量塊によって不安定な印象にはなっていない。聖母のマントの襞が平板に表されていることから「キリストの昇天」に近い頃の作とされている。
1440年代
ルカ・デッラ・ロッビア Luca della Robbia
薔薇園の聖母
1440〜50年代 施釉テラコッタ 83×63cm
フィレンツェ バルジェッロ美術館
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1