キリストの洗礼
ローマでの仕事を終えたマゾリーノは枢機卿ブランダの生地、ロンバルディア地方のカスティリオーネ・オローナへ向かった。
枢機卿が建立したコッレジャータ聖堂と洗礼堂に聖母伝と洗礼者ヨハネ伝を描いている。マザッチョが逝って7年余り、ゴシックの伝統が残る、ロンバルディアの寒村でマゾリーノは彼本来の詩情豊かな情感の世界を普遍的な美に仕上げている。 1430年代
マゾリーノ Masolino
キリストの洗礼
1430年代後半 フレスコ
カスティリオーネ・オローナ 洗礼堂
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1
枢機卿が建立したコッレジャータ聖堂と洗礼堂に聖母伝と洗礼者ヨハネ伝を描いている。マザッチョが逝って7年余り、ゴシックの伝統が残る、ロンバルディアの寒村でマゾリーノは彼本来の詩情豊かな情感の世界を普遍的な美に仕上げている。 1430年代
キリストの洗礼
1430年代後半 フレスコ
カスティリオーネ・オローナ 洗礼堂
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1
山間を蛇行して流れるヨルダン川に立つキリストに、ラクダの毛皮をまとい、赤い長衣を羽織って片膝をついたヨハネが洗礼の水を注いでいる。ヨハネの背後には洗礼を終え、またこれから受ける人々がさまざまな姿勢で描かれている。(マザッチョの「洗礼を施す聖ペテロ」を思わせる。)
対岸には3人の天使が、受洗後のキリストの体を包む衣を持って立ち、天空には鳩の姿をした聖霊が舞い降りている。
様式化した緑で示される川の流れ、キリストの優雅な身のこなし、微妙に変化する色彩の組み合わせなどで、画面全体を柔らかくまとめている。
対岸には3人の天使が、受洗後のキリストの体を包む衣を持って立ち、天空には鳩の姿をした聖霊が舞い降りている。
様式化した緑で示される川の流れ、キリストの優雅な身のこなし、微妙に変化する色彩の組み合わせなどで、画面全体を柔らかくまとめている。