聖ニコラウスの物語 ペルージャ三連祭壇画プレデッラ
バーリの聖ニコラウス(ミラとバーリの司教ニコラ 270〜342)は数々の善行で人々から尊敬を集め、後世のサンタ・クロースの起源ともされる人物。
「黄金伝説」によると、生まれた日に産湯を使わせようとすると立ち上がった(左の場面)。幼い頃から教会に通い、父母が莫大な財産を残して死ぬと、それを神を讃えるために使うことにした。貴族の生まれだが貧しい隣人が娘たちを売春婦にしようとしていた。それを知ったニコラは深夜、窓から金塊を投げ入れて娘たちを恥辱から救った(右の場面)。このテーマはシエナ派が早くから取り入れている。
真ん中は召命。ミラの司教が死去したとき、後任を決めるために神にお伺いを立てると「朝課のため最初に教会に来た者を司教にするように」というお告げがあった。最初に来たのがニコラだったので、僧たちはいやがるニコラを司教の座につけた。
「黄金伝説」によると、生まれた日に産湯を使わせようとすると立ち上がった(左の場面)。幼い頃から教会に通い、父母が莫大な財産を残して死ぬと、それを神を讃えるために使うことにした。貴族の生まれだが貧しい隣人が娘たちを売春婦にしようとしていた。それを知ったニコラは深夜、窓から金塊を投げ入れて娘たちを恥辱から救った(右の場面)。このテーマはシエナ派が早くから取り入れている。
真ん中は召命。ミラの司教が死去したとき、後任を決めるために神にお伺いを立てると「朝課のため最初に教会に来た者を司教にするように」というお告げがあった。最初に来たのがニコラだったので、僧たちはいやがるニコラを司教の座につけた。
画面では少年ニコラは説教を人々とともに聞いているが、教会の入口には神の命令に従って入る司教ニコラの後ろ姿が描かれている。
この画面ではフラ・アンジェリコの天賦の色彩的感性が表れている。赤、青、黄、緑、紫などが高い色価を帯びて互いに強め合っている。補色の原理と効果を経験的・本能的に知っていたと思われる。
ペルージャ三連祭壇画 1430年代
フラ・アンジェリコ Fra Angelico
聖ニコラウスの物語(ペルージャ三連祭壇画プレデッラ)
1437年 板 テンペラ 34×60cm
ヴァティカーノ絵画館
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1
この画面ではフラ・アンジェリコの天賦の色彩的感性が表れている。赤、青、黄、緑、紫などが高い色価を帯びて互いに強め合っている。補色の原理と効果を経験的・本能的に知っていたと思われる。
ペルージャ三連祭壇画 1430年代
聖ニコラウスの物語(ペルージャ三連祭壇画プレデッラ)
1437年 板 テンペラ 34×60cm
ヴァティカーノ絵画館
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1