武具甲冑師組合のために制作されたオルサンミケーレ聖堂の聖ゲオルギウス。頭部にヘルメット、右手に武器を持っていたとされる。組合の守護聖人を超えた共和国フィレンツェの果敢な人間像を表し、身体をわずかに引いて身構えていることから、何時でも戦える自由戦士を表しているとされる。
ドナテッロが再評価されたのは19世紀。1677年以降、この像は医師･薬剤師組合の壁龕に移されるなど、ドナテッロの名声は失われていた。
1892年この像はバルジェッロ美術館の模造壁龕に置かれ、壁龕にはブロンズ製模刻が置かれた。基台の浮彫「聖ゲオルギウスと竜」は外壁に残され、傷みが進んだ。1976年になって修復され、1985年バルジェッロ美術館に収められた。
聖ゲオルギウスと竜　聖ゲオルギウス部分拡大
1410年代

ドナテッロ　Donatello
聖ゲオルギウス
1415〜16年　大理石　像の高さ約209cm
フィレンツェ　バルジェッロ美術館
世界美術大全集11　イタリア・ルネサンス1
画像　イタリア・ルネサンスの巨匠たち8　ドナテッロ　東京書籍