聖母のエリザベツ訪問
ヴィスコンティ家祈祷書は上下2巻。1370年にデ・グラッシ工房でジャン・ガレアッツォ・ヴィスコンティのために制作が始められ1389年に完成した上巻と、1399/1402にデ・グラッシ工房によって着手され1430年以後にフィリッポ・マリア・ヴィスコンティがミラノ公に就任後、ベルベッロ・ダ・パヴィーアによって完成された下巻。20年、30年と時間を要している。この挿絵はジョヴァンニーノの真筆とされている。
マリアが従姉妹のエリザベツを訪問した際に唱えられる祈祷文(わたしの魂は主をあがめ、ルカによる福音書)へ導入する形象頭文字Mのなかに書物を持つエリザベツと駱駝の皮衣を着ている従姉妹の子ヨハネを抱いてあやすマリアが描かれている。頭文字はアカンサスの葉でかたどられ、柱のなかで同色のモノクロームの貴婦人が玉投げをして遊んでいる。
モノクロームの形象頭文字は「ジョヴァンニーノ・デ・グラッシ工房の手本帖」にも見られ、当時のボヘミア写本からの影響とされている。
1370年代 拡大画像
ジョヴァンニーノ・デ・グラッシ Giovannino de' Grassi
聖母のエリザベツ訪問(ヴィスコンティ家祈祷書より)
1370〜89年 写本装飾 24.7×17.5cm
イタリア フィレンツェ 国立図書館
世界美術大全集10 ゴシック2
マリアが従姉妹のエリザベツを訪問した際に唱えられる祈祷文(わたしの魂は主をあがめ、ルカによる福音書)へ導入する形象頭文字Mのなかに書物を持つエリザベツと駱駝の皮衣を着ている従姉妹の子ヨハネを抱いてあやすマリアが描かれている。頭文字はアカンサスの葉でかたどられ、柱のなかで同色のモノクロームの貴婦人が玉投げをして遊んでいる。
モノクロームの形象頭文字は「ジョヴァンニーノ・デ・グラッシ工房の手本帖」にも見られ、当時のボヘミア写本からの影響とされている。
1370年代 拡大画像
聖母のエリザベツ訪問(ヴィスコンティ家祈祷書より)
1370〜89年 写本装飾 24.7×17.5cm
イタリア フィレンツェ 国立図書館
世界美術大全集10 ゴシック2