大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

聖母戴冠(多翼祭壇画中央パネル)

東方のビザンティン的要素と北方のゴシック的要素が融合してルネサンス初期のヴェネツィア絵画が始まった。
右は大型多翼祭壇画の中央パネル「聖母戴冠」。左翼に「マギの礼拝」「キリストの洗礼」「最後の晩餐」「オリーヴ山での祈りとキリストの逮捕」、右翼に「カルヴァリオへの道」「磔刑」「我に触れるな」「昇天」がそれぞれ2段で配されている。上部には左右3面ずつにアッシジの聖フランチェスコと聖女キアラの物語など。
これらの画面は、サン・マルコ大聖堂の黄金祭壇(10〜13世紀)のように、金泥を施した木彫による小円柱に支えられた半円アーチの下に収められている。
中央パネルでは星がちりばめられた円形の背もたれのついた玉座にキリストとマリアが座り、昇天したばかりの聖母はキリストから栄光の冠を受けている。足下には太陽と月、その左右にはオルガンを奏する天使。上部両端では天使が天国を象徴する豪華な織物を開いて聖母戴冠を輝かせ、20人ほどの天使たちがさまざまな楽器を奏でている。
1350年代

パオロ・ヴェネツィアーノ Paolo Veneziano
聖母戴冠(多翼祭壇画中央パネル)
1350年代初め 板 テンペラ 98×63cm
ヴェネツィア アカデミア美術館
世界美術大全集12 イタリア・ルネサンス2