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聖ラウレンティウスの殉教

ベルナルド・ダッディの現存する唯一の壁画。この作品ではジョットに学んだ人物の明確な肉付けが認められ、建築の様式はサンタ・クローチェ聖堂ペルッツィ礼拝堂に描かれた建築に通じるとされる。
聖ラウレンティウスはローマ皇帝デキウスの命に反して、教会財産を貧者に配った。そのため裸で鉄格子に寝かされ、下から石炭を焚かれて、258年ローマで殉教した聖人。
この頃フランチェスコ修道会内部で「清貧」をめぐって対立が起きていた。サンタ・クローチェ聖堂では厳格派の過激論者が説教を行い、一般信徒も競って寄進を行っていた。プルチ家も厳格派支持だったのだろう。