授乳の聖母
聖母を町の守護者として信仰したシエナの人々は、「授乳の聖母」の画像を好んだといわれる。シエナの古い讃歌に「あなた様はシエナに乳を与えるために、天の御子の分をまわしてくださった」とうたわれるという。
アンブロージョ・ロレンツェッティの祭壇画は最も知られた作品。聖母はモニュメンタリティをもった造形で描かれ、画面の中心から外れてやや身体をねじっている。聖母に見守られ、しっかりと抱かれた幼児キリストはよそ見をし、足で聖母の腕を押しながら乳を飲んでいる。
シエナ派特有の色彩も際立っている。マントの青とローブの朱、ヴェールの白と金の縁飾りがコントラストを見せている。14世紀中頃の作とされる、ニーノ・ピサーノの聖母子彫刻とも類似していて、共通の手本となったジョヴァンニ・ピサーノの彫刻があったのかもしれない。
1330年代
アンブロージョ・ロレンツェッティ Ambrogio lorenzetti
授乳の聖母
1330年代前半 板・テンペラ 90×48cm
イタリア シエナ 大司教館
世界美術大全集10 ゴシック2
アンブロージョ・ロレンツェッティの祭壇画は最も知られた作品。聖母はモニュメンタリティをもった造形で描かれ、画面の中心から外れてやや身体をねじっている。聖母に見守られ、しっかりと抱かれた幼児キリストはよそ見をし、足で聖母の腕を押しながら乳を飲んでいる。
シエナ派特有の色彩も際立っている。マントの青とローブの朱、ヴェールの白と金の縁飾りがコントラストを見せている。14世紀中頃の作とされる、ニーノ・ピサーノの聖母子彫刻とも類似していて、共通の手本となったジョヴァンニ・ピサーノの彫刻があったのかもしれない。
1330年代
授乳の聖母
1330年代前半 板・テンペラ 90×48cm
イタリア シエナ 大司教館
世界美術大全集10 ゴシック2