ヤコポ・デル・カゼンティーノは1339年ベルナルド・ダッディらフィレンツェの画家たちと聖ルカ同信会を設立した。
ジョットの弟子とされているが「サンタ・チェチリアの画家」と同じくゴシック様式の影響が見られ、装飾写本画家として活躍した。
聖ミニアトゥスは初期キリスト教時代のアルメニアの王子で、フィレンツェを訪れた時ローマ皇帝デキウスの迫害のため、この聖堂が建つ山上で殉教した伝説的聖人。
この祭壇画は14世紀の記録に登場、作者はジョット派ほかの画家が挙げられていたが、20世紀になってヤコポ作とされた。画家初期の代表作。
聖人の全身像の周囲に物語を描く形式は「サンタ・チェチリアの画家」のサンタ・マルゲリータ祭壇画に基づくとされている。13世紀に流行した古いタイプで、ジョッテスキの前時代の形式・精神への回帰は14世紀中頃から強まっていく。

1300・10年代

ヤコポ・デル・カゼンティーノ（1297〜1358頃）
Jacopo del Casentino
サン・ミニアート祭壇画
1315〜25年頃　板　テンペラ　185×106cm
フィレンツェ　サン・ミニアート・アル・モンテ聖堂
世界美術大全集10　ゴシック2