聖母子
ジョヴァンニ・ピサーノの聖母子像は初期のピサ大聖堂西側入口を飾っていた「聖母子」、ピサ洗礼堂主入口を飾っていた「聖母子」、晩年の作とされるプラート大聖堂の「帯の聖母子(1312年頃)」などいくつか残されている。 この作品はスクロヴェーニ礼拝堂の主祭壇を飾る聖母子で、両側には工房作とされる天使像が置かれていた。制作時期はジョットが壁画を描いていた頃と同時期(1304〜06年頃)とされているが、ジョヴァンニはピサ大聖堂説教壇の制作をしていたため、この作品はピサで制作されたと考えられている。 ピストイアの説教壇に続いてピサ大聖堂説教壇を委嘱されていたジョヴァンニに発注。それは厳しい条件をつけたジョットによる壁画と対応する最良の彫刻家としてジョヴァンニをエンリコ・スクロヴェーニが考えていたと思われる。おそらく全てをジョヴァンニ単独で制作という条件はつけていなかった。 形態はフランス・ゴシック彫刻の聖母子タイプに属しているが、互いに目で語り合う母としてのマリアと幼児の深い情愛を表している。 1300・10年代 イタリア彫刻 聖母子 1305年頃 大理石 高さ129cm イタリア パドヴァ スクロヴェーニ礼拝堂 世界美術大全集10 ゴシック2 |