最後の審判
ビザンティン系審判図の階層的構成で3段に描かれている。残っているのは中段のキリストと周りの天使、聖母マリア、洗礼者ヨハネ、十二使徒、下段の祭壇をはさんで天国に召し出される正しき人々、地獄に追いやられる悪しき人々。審判者キリストの身振りは、フィレンツェ洗礼堂のモザイクと共通だが、怖るべき審判者ではなく、人間の運命を思う明智の人、周りの人々と会話するような雰囲気で表されている。 使徒たちの造形や殉教を象徴する持物にはイル・ド・フランスのゴシック彫刻群からの影響が見られるという。 多彩な翼・衣装に包まれた天使たちはビザンティン的幻想・合唱的効果をもたらしている。 画像 上から左、中央、右。 1200年代後半 カヴァリーニ Cavallini 最後の審判 フレスコ 1289年着手 1293年完成 ローマ サンタ・チェチリア・イン・ トラステヴェレ聖堂 世界美術大全集10 ゴシック2 |