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ジェーン・シーモアの肖像

ジェーン・シーモア(1509?〜1537)はサー・ジョン・シーモアの娘で、ヘンリー8世の遠縁にあたる。ヘンリーの最初の妃キャサリン・オブ・アラゴンの侍女として宮廷に入り、第2の妃アン・ブーリンの侍女にもなった。ヘンリーの目にとまり、1536年1月にアンが姦通罪で処刑されると、5月に妃として迎えられた。1537年10月、ハンプトン・コートでのちにエドワード6世となる男児を出産したが、その12日目に産褥で死去した。
ジェーン・シーモアは「中ぐらいの身長で、目立って美しくもなく、蒼白いと言いたいほど色白だ」と伝えられるが、この肖像画と一致する。
ホルバインは1536年頃から宮廷画家として仕官した。1537年にロンドンの王宮ホワイトホールの広間「プリヴィ・チェンバー」の壁面に、先王ヘンリー7世と妃エリザベス・オブ・ヨーク、ヘンリー8世とジェーン・シーモア、王家一族の肖像画を描いている。ジェーン・シーモアのポーズは肖像画と同じ。
ハーグのマウリッツハイスにも「ジェーン・シーモアの肖像」があり、こちらが真筆とする説もある。

世界美術大全集14 北方ルネサンス
1530年代
ハンス・ホルバイン(子)
ジェーン・シーモアの肖像
1536年頃 板 テンペラ 65×40.5cm
ウィーン 美術史美術館