
荒野の洗礼者ヨハネ
憂鬱質を表す頬杖をつくポーズをした洗礼者ヨハネは小川のほとりに広がる野原に一人で座っている。背後にはキリストの象徴である子羊も描かれている。
周囲の草木や樹木は勢いよく枝を伸ばし、ヨハネの孤独とは対照的な活力に満ち、兎や鳥も生き生きと描かれている。この作品の風景表現によって、人物の背景に止まっていた風景が人物を包み込む環境として、人物と対等な立場で画面を構成する要素となったとされている。
聖ヨハネ騎士団に属する個人の礼拝像として制作されたと考えられているが、この作品がデューラーに衝撃を与えたとも伝えられている。「メランコリア1」は同じポーズをとっている。
ヒューホ・ファン・デル・フースとの関係は明確ではないが、メムリンクやダフィットのブリュージュ派が穏和な精神の絵画を生み出したのに対し、厳しい精神性を備えたもう一つの流れがあったことを示している。
1490年代ヘールトヘン・トット・シント・ヤンス Geertgen tot Sint Jans
荒野の洗礼者ヨハネ
1490年頃 板 油彩 41.9×27.9cm
ベルリン 国立絵画館
世界美術大全集14 北方ルネサンス
周囲の草木や樹木は勢いよく枝を伸ばし、ヨハネの孤独とは対照的な活力に満ち、兎や鳥も生き生きと描かれている。この作品の風景表現によって、人物の背景に止まっていた風景が人物を包み込む環境として、人物と対等な立場で画面を構成する要素となったとされている。
聖ヨハネ騎士団に属する個人の礼拝像として制作されたと考えられているが、この作品がデューラーに衝撃を与えたとも伝えられている。「メランコリア1」は同じポーズをとっている。
ヒューホ・ファン・デル・フースとの関係は明確ではないが、メムリンクやダフィットのブリュージュ派が穏和な精神の絵画を生み出したのに対し、厳しい精神性を備えたもう一つの流れがあったことを示している。
1490年代
荒野の洗礼者ヨハネ
1490年頃 板 油彩 41.9×27.9cm
ベルリン 国立絵画館
世界美術大全集14 北方ルネサンス
