大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

聖アウグスティヌスと聖グレゴリウス

ミヒャエル・パッハー
ショーンガウアーとともに15世紀後半のドイツを代表する画家・彫刻家。チロル地方に生まれたパッハーはイタリアからの影響を受けて、次代のドイツ美術の方向づけに大きく関わった。
1481年に完成したザンクト・ヴォルフガング祭壇は、パッハー自作の聖母戴冠の木彫群を二重に包む4枚のパネルに16場面が描かれ(プレデッラは別)、後のイーゼンハイム祭壇画にも匹敵する大作だった。「聖母の死」ではマンテーニャから学んだ短縮法が用いられている。
教父祭壇画(下のモノクロ画像 右図は中央パネル、左翼に聖ヒエロニムス、右翼に聖アンブロシウス)は、それぞれ壁龕のなかに描かれているが、床面から遠近法によって共通の空間にいることがわかる。光も同一の方向から射している。曲線や細部へのこだわりを残す15世紀ドイツ末期のゴシック的造形に、ブルネッレスキ以来の遠近法が取り入れられている。
1480年代