ハールレム・聖ヨハネ騎士団礼拝堂のための三連祭壇画の右翼。裏面は「洗礼者ヨハネの骨の焼却」。
「キリストの死への哀悼」は初期フランドル絵画で好まれた主題。前景にキリストの遺骸と十字架を思わせるように配置された聖母と3人のマリア。遠景に描かれる日常的な盗賊の埋葬と聖母たちの悲しみを表したような風景。キリストの死という宗教的主題を現実世界の悲しみとして描いている。宗教的主題と遠景・風景が対等の関係として描かれている。
北ネーデルラント（オランダ）の風景画に対する取り組みを示している作品。

世界美術大全集14　北方ルネサンス

ヘールトヘン･トット･シント･ヤンス　Geertgen tot Sint Jans
キリストの死への哀悼
1485年　板　油彩　175×139cm　モノクロ
ウィーン　美術史美術館

1480年代