
聖アントニウスの誘惑 (三連祭壇画)

「聖なる火」と呼ばれていた、燃えるような痛みと四肢の壊疽を症状とする病気は、現代では麦角中毒とされている。聖アントニウスへの祈願で奇跡的に治癒されたことがあって、この聖人への信仰が高まり、病名も「聖アントニウスの火」となった。病気の治療を活動の中心とする聖アントニウス修道会も発展した。15世紀後半からドイツ・ルネサンスの画家たちによって「聖アントニウスの誘惑」は好んで描かれるテーマとなった。
左翼上部で聖人は悪魔によって空中に引き上げられ責めを受けている。下部では、気を失った聖人が仲間に救われ、隠遁する小屋へ運ばれている。 右翼では水辺の裸婦が聖人を誘っている。伝説による「悪魔の女王」との出会い。女王は聖人を自らの宮殿に誘い夫になるように迫る。背景は女王の宮殿。
左翼上部で聖人は悪魔によって空中に引き上げられ責めを受けている。下部では、気を失った聖人が仲間に救われ、隠遁する小屋へ運ばれている。 右翼では水辺の裸婦が聖人を誘っている。伝説による「悪魔の女王」との出会い。女王は聖人を自らの宮殿に誘い夫になるように迫る。背景は女王の宮殿。
中央パネルの中央に祈り続けている聖人が小さく描かれている。その周りには聖人を誘惑する悪魔たち。聖人に寄り添う着飾った女性も、長い裳裾から悪魔だとわかる。女性が差し出している酒杯に入っているのは「聖なる酒」、修道会が製造した患者に与える水薬だとされる。
1480年代ボス Hieronymus Bosch
聖アントニウスの誘惑 (三連祭壇画)
中期(1485〜1505年頃) 板 油彩
131.5×119cm(中央パネル)各131.5×53cm(両翼)
リスボン 国立美術館
世界美術大全集14 北方ルネサンス
1480年代
聖アントニウスの誘惑 (三連祭壇画)
中期(1485〜1505年頃) 板 油彩
131.5×119cm(中央パネル)各131.5×53cm(両翼)
リスボン 国立美術館
世界美術大全集14 北方ルネサンス