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キリストの復活

ハンス・ムルチャー Hans Multscher(1400頃〜1467)
ウルム大聖堂の「嘆きの人としてのキリスト(1429年)」の作者として知られる彫刻家で、ウルムに大きな工房をかまえ、絵画制作もおこなっていた。彫刻にはそれを納める厨子の扉絵が必要で、工房は彫刻家と画家を抱えなければならなかった。ムルチャーは画家としても活動していたらしい。
1437年に制作されたヴルツアッハ祭壇画の残された2枚の扉絵(中央の木彫の左右につけられた扉)の表裏8場面のひとつ。キリスト受難とマリア伝、各4場面が描かれている。
人体は彫塑的で重量感をもって現され、その表情は荒々しく粗野にみえる。もう一つの場面「マリアの死」の枠には制作年と画家の名前が記されている。「ウルムの市民、ライヘンホーフェン出身のハンス・ムルチャーのために神へ祈り給え、この作品は1437年に彼が制作したものである」
ハンス・ムルチャー
キリストの復活
1437年 板 テンペラ 148×140cm
ベルリン 国立絵画館
世界美術大全集14 北方ルネサンス
1430年代