大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

リチャード3世

エドワードの弟グロスタ公リチャードは、兄の二人の遺児のために護国卿になるように兄から指名されていたらしい。遺児たちの背後にはウッドヴィル、グレイ両家のほか宮廷派の貴族たちもいたが、グロスタ公は政治の主導権を握ろうとした。
王位継承者のエドワードはリヴァズ伯とともにロンドンに向かったが、グロスタ公はバッキンガム公の支持を得てリヴァズ伯を投獄した。5月、評議会によって護国卿として承認されると、若王エドワード5世(在位1483)をロンドン塔に隔離した。若王の戴冠式はおこなわれないまま、リヴァズ伯と王の異父兄弟リチャード・グレイは処刑された。もうひとりの異父兄弟トマスは国外追放とされ、若王の弟リチャードもロンドン塔に拘束された。考えられる抵抗を排除すると、グロスタ公は一説教師に、兄がヨーク公の庶子で自らが嫡子であると広言させ、バッキンガム公にロンドン・シティでの歓呼を工作させた。6月議会が王の廃位とグロスタ公の登位を宣言し、7月リチャード3世として戴冠した(在位1483〜85)。