
トレドのコルテス 王室財政を強化
カトリック両王は、カスティーリャ王国では秩序回復を図った。1476年のマドリガルのコルテス(王国議会)で、市町村の自警組織サンタ・エルマンダーが組織された。1480年トレドのコルテスでは、王室財政を強化するために、64年以降に国王が与えた「恩寵」を無効とし、それらの世襲年金、租税徴収権、王領地などを王室に取り戻した。その年以前の「恩寵」は再確認されたことになり、有力貴族にとって大きな打撃とはならなかった。
1480年代
世界各国史16 スペイン・ポルトガル史
1480年代
世界各国史16 スペイン・ポルトガル史
国王顧問会議は議決権を奪われて、有力貴族が徐々に出席しなくなった。官僚的な最高統治機関として整備され、異端審問会議、宗教騎士団会議、インディアス会議など専門の顧問会議がつくられた。都市にはコレヒドール(国王代官)の恒常的派遣が決められ、のちに64のコレヒドール管区が設けられた。コルテスは、代表派遣都市を17に限定し(1492年以降はグラナダを含めて18)、80年以降は召集回数を少なくしてその政治力を弱めた。裁判制度では高等法院がバリャドリーに固定され、タホ川以南を担うもう一つの高等法院がシウダー・レアル(後にグラナダに移転)に設けられた。