大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

セビーリャで反ユダヤ暴動

14世紀のカスティーリャでは、ブルゴスやトレド、コルドバ、セビーリャなどに信仰の自由と自治権を保障されたアルハマ(ユダヤ人共同体)が組織され、ユダヤ人の多くが主要都市のユダヤ人街で暮らしていた。一部の有力者は大規模商業や金融業、徴税請負にたずさわり、免税特権を受けていたが、大多数は小売り商業や手工業に従事する民衆層だった。有力ユダヤ人がアルハマ役人職を独占し、アルハマ当局を構成していたが、14世紀以降民主化を求める民衆との間の亀裂が深まっていた。
レコンキスタが進みペストが蔓延してくると、ユダヤ人を「潜在的キリスト教徒」とする楽観論が消えていった。ユダヤ人は儀礼殺人をおこない、キリスト教社会の破壊をもくろむ悪魔の手先、本質的に堕落した民とされた。14世紀初めから各地で散発的に反ユダヤ運動が始まり、トラスタマラ朝成立期の内乱のなかでも繰り返されていた。