大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

サラードの戦い

13世紀なかば、レコンキスタが最終局面を迎え、イスラム勢力は、ムハンマド1世(在位1237〜72)の建てたナスル朝グラナダ王国を残すだけになった。グラナダに首都を定めた1237年以降、ムハンマド1世はカスティーリャ王に臣従し、グラナダ領有を認知されていた。
14世紀初めグラナダ王国では不安定な時期が続いていたが、1340年ユースフ1世(在位1333〜54)がレコンキスタ進展を阻むため、マリーン朝に軍事援助を要請した。しかしユースフ1世はマリーン朝のスルタンとともに、サラードの戦いでカスティーリャ王に敗れてしまった。それ以降、マリーン朝は衰退しイベリア半島からほぼ撤退、グラナダ王国は、以後単独でカスティーリャと対峙することになった。
ペストの流行とカスティーリャの王位継承争い、カスティーリャとアラゴンの対立などでカスティーリャが混乱している間に、ユースフ1世はグラナダ王国の国内再建につとめた。
ムハンマド5世(在位1354〜59、復位1362〜91)はカスティーリャ王ペドロ1世の封臣としてトラスタマラ朝の内乱に介入、ジブラルタルを回復し、トレムセン、チュニス、マムルーク朝と外交関係を結び、トラスタマラ朝成立後はエンリケ2世とも和解、グラナダ王国の平和と安全を確保した。
ムハンマド1世によって造営されたアルハンブラ宮殿を中心に王宮都市が形成された。その後も増改築が繰り返されていたが、「裁きの門」「ライオンの中庭」など、現存する建物の多くはユースフ1世・ムハンマド5世の時代に建設された。
1340年代
世界各国史16 スペイン・ポルトガル史
地図は 詳説 世界史図録 山川出版社