
カジミエシ3世 即位
ポーランド国家形成の中心になったのは、ヴィエルコポルスカ地方(グニエズノ、ボズナン)に居住していたポラニェ族だった。
ミエシコ1世公(在位960頃〜992)の治世中に東西ポモージェ、シロンスク、マウォポルスカを併合して、現在の国家領土に近い領域ができた。またミエシコはチェコ公の娘と結婚して、神聖ローマ帝国の教会とは対立していたバイエルンの聖職者から洗礼を受けて、キリスト教を導入した(966年)。968年にボズナンに設置された司教座はローマに直属していた。帝国からの独立性を守るためだったらしいが、ザクセン家のオットー大帝とも友好関係を築いていった。
ミエシコ1世公(在位960頃〜992)の治世中に東西ポモージェ、シロンスク、マウォポルスカを併合して、現在の国家領土に近い領域ができた。またミエシコはチェコ公の娘と結婚して、神聖ローマ帝国の教会とは対立していたバイエルンの聖職者から洗礼を受けて、キリスト教を導入した(966年)。968年にボズナンに設置された司教座はローマに直属していた。帝国からの独立性を守るためだったらしいが、ザクセン家のオットー大帝とも友好関係を築いていった。

その後分裂し、神聖ローマ帝国や近隣諸国、ドイツ植民からの影響も受けていた。1241年のレグニツァの戦いでモンゴル軍に敗れた後、ポーランド王国の統一運動が始まった。
1320年、教皇庁への請願によって、クラクフの大聖堂でウォキェテク(在位1320〜33)の戴冠式がおこなわれた。王の下に統合された領土は大小の6公国だけだった。王の課題は領土の回復で、東ポモージェを占領していたドイツ騎士団とその同盟国チェコとの戦いは、1327年から6年間続いた。一方、ルクセンブルク家のチェコ王ヨハンは、シロンスクとマゾフシェの多くの公国を臣下として、ポーランド王を主張していた。
1333年カジミエシ3世大王(在位1333〜70)が23歳で父を継いだ。1335年のハンガリーでの会議でヨハンからポーランド王位継承権を買い取り、騎士団との休戦を延長して、チェコとハンガリー両王に調停を依頼し、教皇庁にも提訴した。このような現実主義的政治で国土が3倍ほどに増えた。
当初、内政の組織は以前と変わらなかった。旧公国は「地方」と呼ばれ、公国時代の宮廷職と地方職の多くは地方官職として維持された。インムニテート(不輸不入)特権とドイツ法が普及したこともあって、地方官は実質的な権限を失い、形成されてきたシュラフタ身分(貴族)の代表者としての性格をもつようになった。王権の統治の要としては代官職が続けられた。王の本拠マウォポルスカには代官は置かれず、新しく王に直属する官職がつくられて、王領地の経営・刑事事件の捜索と裁判・城の管理がおこなわれた。
15世紀以降、「地方」は知事(ヴォイェヴォダ)をもつ地方は県(ヴォイェヴツトヴォ)と呼ばれた。
インムニテート(不輸不入)権 荘園内における国王の課税権や裁判権などの行使を、領主が拒否する特権。権利を認められた貴族・教会・修道院などの自立化がすすんだ。
1330年代以前
世界各国史20 ポーランド・ウクライナ・バルト史
世界史用語集 山川出版社
1320年、教皇庁への請願によって、クラクフの大聖堂でウォキェテク(在位1320〜33)の戴冠式がおこなわれた。王の下に統合された領土は大小の6公国だけだった。王の課題は領土の回復で、東ポモージェを占領していたドイツ騎士団とその同盟国チェコとの戦いは、1327年から6年間続いた。一方、ルクセンブルク家のチェコ王ヨハンは、シロンスクとマゾフシェの多くの公国を臣下として、ポーランド王を主張していた。
1333年カジミエシ3世大王(在位1333〜70)が23歳で父を継いだ。1335年のハンガリーでの会議でヨハンからポーランド王位継承権を買い取り、騎士団との休戦を延長して、チェコとハンガリー両王に調停を依頼し、教皇庁にも提訴した。このような現実主義的政治で国土が3倍ほどに増えた。
当初、内政の組織は以前と変わらなかった。旧公国は「地方」と呼ばれ、公国時代の宮廷職と地方職の多くは地方官職として維持された。インムニテート(不輸不入)特権とドイツ法が普及したこともあって、地方官は実質的な権限を失い、形成されてきたシュラフタ身分(貴族)の代表者としての性格をもつようになった。王権の統治の要としては代官職が続けられた。王の本拠マウォポルスカには代官は置かれず、新しく王に直属する官職がつくられて、王領地の経営・刑事事件の捜索と裁判・城の管理がおこなわれた。
15世紀以降、「地方」は知事(ヴォイェヴォダ)をもつ地方は県(ヴォイェヴツトヴォ)と呼ばれた。
インムニテート(不輸不入)権 荘園内における国王の課税権や裁判権などの行使を、領主が拒否する特権。権利を認められた貴族・教会・修道院などの自立化がすすんだ。
1330年代以前
世界各国史20 ポーランド・ウクライナ・バルト史
世界史用語集 山川出版社