大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

レコンキスタ完了

1249年、ポルトガル国王アフォンソ3世(在位1248〜79)はアルガルヴェ西部のファロを落としてレコンキスタを完了させた(スペインは1492年)。1297年にはアルカニセス条約で南部のカスティーリャとの国境が画定された。これはヨーロッパ最古の現在まで続く国境。
王権はポルトガルの基礎、ポルトゥカーレ伯領とコインブラ伯領を中心とするモンデーゴ川以北とレコンキスタによるイスラム文化の影響が残る南部、アレンテージョ(テージョ川のかなた)とアルガルヴェとの統合を進めていく。
ポルトガルの王権は、直属家臣が多く、最高裁判権を保有していて、ほかの西欧諸国と比べると強力だった。しかし教会勢力は、ブラガ大司教をはじめとして、建国期に国王からの支援と寄進をえて、莫大な富と所領を蓄積し、修道会も初期のベネディクト会、12世紀半ばからのシトー会、13世紀初めからのフランシスコ会とドミニコ会が力を伸ばしていた。貴族もレコンキスタ従軍の恩賞として譲渡された土地を加えて、その所領を拡大していた。
アフォンソ2世(在位1211〜23)は、1216年以降、聖俗貴族に相続領地の申請をさせ、20年には役人を派遣して検地をおこなわせた。以後、さまざまな抵抗を受けたが、国王ディニス(在位1279〜1325)は、1284年以降、徹底した検地をおこない、北部全域にわたる土地台帳を作成した。さらに、貴族の裁判権の乱用を取り締まり、封建的諸特権の証明を義務づけた。これによって領主権の発展が抑制された。
世界各国史16 スペイン・ポルトガル史
1330年代以前 ヨーロッパ史年表