大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

マゼラン12

4ヶ月後トリニダー号はエスピノザを船長として、パナマを目指して出港した。しかし逆風と食糧不足に苦しみ、結局モルッカ諸島に戻った。その間にポルドル人の増援部隊が着いていて、スペイン人は全員捕虜となった。トリニダー号に乗っていてスペインに戻れたのは4人だけだった。ロローザは裏切り者として処刑された。
ヴィクトリア号はブル島、ティモール島に寄った後、喜望峰を廻って帰国を目指した。5月6日に喜望峰を廻り、7月9日ポルトガル領ヴェルデ岬諸島のサンティアゴ島に着いた。144日にわたる無寄港航海のため壊血病患者が続出し47人の乗組員は35人に減っていた。船長エルカーノは嘘を言って食糧を分けてもらった。しかし3度目に引き取りに行ったときに嘘が発覚しボートの13人が捕われてしまった。このときに日付が1日ずれていることにピガフェッタとアルボは気付いている。
22人となったヴィクトリア号は、なぜかスペイン領カナリア諸島には寄らずポルトガル領アゾーレス諸島を目指している。やや遠回りをしてスペインに戻ったときには18人になっていた。
モルッカ諸島・フィリピンからアメリカ大陸へ向かう航海は、貿易風が逆風となるため困難だった。1565年ウルダネータはフィリピンからいったん北緯42°(北海道南端あたり)まで北上、その後東へ向かいアカプルコに到着した。これで太平洋を東に向かう大圏航路が確立された。

図説 大航海時代 ヴィクトリア号帰還の航路 香料諸島ティドール島からセビリヤまで