ヨーロッパ内での経済活動が活発になると、地中海と西ヨーロッパを結ぶ交通路が開けてくる。最初はアルプス越えの陸路だったが、ジブラルタル海峡を通って大西洋に出る航路が開かれた。
ジェノヴァは1087年チュニジアのマーディーアを占領した後、1161年モロッコ王国との通商協定でブージーに進出した。さらに進んでセウタ、1162年にはジブラルタル海峡を越えてサレに達している。これらの進出でジェノヴァは西アフリカで金・奴隷貿易を行っているイスラム商人たちと交渉することができた。

それまでの航海・交易　大航海時代 年表・項目

1277年ジェノヴァ船はフランドルに進出しているが、1292年ジェノヴァ水軍はモロッコ海軍を破り北アフリカ西部の制海権を確保している。また1317、18年にはヴェネツィア船団がブリュージュに航海している。
黒海、地中海、ジブラルタル海峡を越えてフランドルまでイタリア商人の活動範囲が広がった。これによってハンザ同盟の通商網とつながり、より活発な経済活動が行われることになった。インド洋-南シナ海貿易による経済成長が西ヨーロッパの生産と商業に刺激を与えたという面もあった。

地中海全図　図説 大航海時代　河出書房新社