マクロビウスによる地図
中世に人気が高かったローマ後期の哲学者アンブロシウス・マクロビウス(紀元後400年頃に活躍)。彼はキケロの『国家論』の一部『Commetary on the Dream of Scipio』で古代ギリシャの科学や神話に基づく地理学論を述べている。
彼の写本のほとんどに分布帯地図と呼ばれる、ギリシャの伝統に従って北を上にした地図が載せられている。北部極寒帯(北極圏)、北部温帯(北回帰線)、灼熱帯(赤道)、南部温帯(南回帰線)、南部極寒帯(南極圏)に分けられていて北部温帯だけに人が住めるとしている。上の地図にはカスピ海、紅海、インド洋が描かれている。
上の彩色されているのが11世紀の写本、下の木版画は1483年に制作されている。
15世紀後半にはプトレマイオスやイスラム教徒の地図の影響を受けて、ヨーロッパの地図にも現実的な地理的配置が現れてきた。木版画の地図には地名なども加えられている。アジア、ヨーロッパ、北アフリカと分けられ、インド、タプロバーネ(セイロン)、バビロン、エルサレム、アレクサンドリアなどの地名が書かれている。ヨーロッパにもイタリア、シチリア、サルディニア、フランス、スペイン、イギリス(ロンドンの周辺部)のほか北部極寒帯にはアイスランドかスカンディナビアと思われる部分が見られる。
上の彩色されているのが11世紀の写本、下の木版画は1483年に制作されている。
15世紀後半にはプトレマイオスやイスラム教徒の地図の影響を受けて、ヨーロッパの地図にも現実的な地理的配置が現れてきた。木版画の地図には地名なども加えられている。アジア、ヨーロッパ、北アフリカと分けられ、インド、タプロバーネ(セイロン)、バビロン、エルサレム、アレクサンドリアなどの地名が書かれている。ヨーロッパにもイタリア、シチリア、サルディニア、フランス、スペイン、イギリス(ロンドンの周辺部)のほか北部極寒帯にはアイスランドかスカンディナビアと思われる部分が見られる。