
ヘラルト・ダフィット
ヘラルト・ダフィット Gerard David
(1460頃〜1523)
メムリンクを継いでブリュージュ・初期フランドル絵画の後継者となった画家。1484年にブリュージュの親方画家となった。イタリア・ルネサンスとの結びつきがみられることから、アントウェルペンを中心とする新世代の画家たちとのつながりもあったらしい。
観る者が静かな祈りと冥想を捧げるために制作された、伝統的な初期フランドル絵画の形式を踏襲し、ブルゴーニュ公国の都市ブリュージュで活動していることから、初期フランドル絵画の最後の巨匠とされている。
初期の代表作は、1498年にブリュージュ市庁舎議会室のために描かれた「カンビュセスの裁判」と「ジザムネスの皮剥ぎ」。プットや古代風メダイヨンにイタリア・ルネサンスと関わりが指摘されているが、それまでにブリュージュ在住のイタリア商人がメムリンクに多くの作品を注文していたことから当然のことだともされる。
(1460頃〜1523)
メムリンクを継いでブリュージュ・初期フランドル絵画の後継者となった画家。1484年にブリュージュの親方画家となった。イタリア・ルネサンスとの結びつきがみられることから、アントウェルペンを中心とする新世代の画家たちとのつながりもあったらしい。
観る者が静かな祈りと冥想を捧げるために制作された、伝統的な初期フランドル絵画の形式を踏襲し、ブルゴーニュ公国の都市ブリュージュで活動していることから、初期フランドル絵画の最後の巨匠とされている。
初期の代表作は、1498年にブリュージュ市庁舎議会室のために描かれた「カンビュセスの裁判」と「ジザムネスの皮剥ぎ」。プットや古代風メダイヨンにイタリア・ルネサンスと関わりが指摘されているが、それまでにブリュージュ在住のイタリア商人がメムリンクに多くの作品を注文していたことから当然のことだともされる。
ダフィットの作品にみられるイタリア・ルネサンスとの関わりは、「聖女に囲まれた聖母(1509年)」や「キリストの磔刑(1515〜20年頃)」の堂々とした人間像や「エジプトへの逃避途上の休息(1510年頃)」や「ミルク鉢のある聖母(1510〜15年)」にみられる宗教主題の世俗化にあるとされる。
初期フランドル絵画の影響を強く受けていたダフィットやブリュージュの芸術は、優れた後継者を得ながら、新たに台頭してきたアントウェルペンを中心にした動きのなかに埋もれてしまった。
16世紀ブリュージュの最も重要な画家とされる、ピーテル・プルビュス(1523〜1584)の作品にも初期フランドル絵画の影響がみられる。ブリュージュには15世紀の絵画伝統が根強く残されていたらしい。
世界美術大全集14 北方ルネサンス
人物略歴
初期フランドル絵画の影響を強く受けていたダフィットやブリュージュの芸術は、優れた後継者を得ながら、新たに台頭してきたアントウェルペンを中心にした動きのなかに埋もれてしまった。
16世紀ブリュージュの最も重要な画家とされる、ピーテル・プルビュス(1523〜1584)の作品にも初期フランドル絵画の影響がみられる。ブリュージュには15世紀の絵画伝統が根強く残されていたらしい。
世界美術大全集14 北方ルネサンス
人物略歴